最上の古四王神社について

＊山形県には古四王神社の所在地情報が多くあり、古四王神社に関する論文を発表している研究者も多くおられます。
　それでも、これまでに眼にすることの出来た古四王神社の分布を取り上げた著述のなかでは、最上地方に関しては古四王神社の所在地情報が記されておりませんでした。

　川崎浩良は『美人反別帳』で山形県の分布の項目立てを「置賜郡の越王神」「村山盆地の越王神」「荘内地方の越王神」としており、最上地方の項目がありません。
　佐藤貞宏は『コシオウ信仰研究序説』において、「山形県域のコシオウ神社所在地」情報を４１個所記載し、さらに「山形県域のコシオウ地名所在地」を２７個所・３１地名を記載していますが、最上地方の情報はなく、「コシオウ神社の分布は山形県下の１０市８町におよんでいる。ほぼ県下を網羅しているように映るが、新庄盆地・向町盆地・尾花沢盆地〈村山郡〉には所在が確認できない。〈略〉」とも記しています。

＊当サイトにおいては、佐藤貞宏によるコシオウ所在地情報を《佐藤リスト》として、基本的にはそのリストの記載の順にしたがいこの山形県の探訪記録を庄内・村山・置賜の３地方に区分して作成しており、最上地方の項目を立てていませんでした。
　〈『探訪記録にあたって』に関連記事がございます。〉

＊最上郡金山町に古四王神社のあることが、『金山町史通史編』に記載されていることが確認できました。
　ここにおいて、あらたに「山形・最上の古四王神社」の項目を立てることといたしました