岩手県の古四王神社〔目次〕           ページ先頭へ 前へ 次へ ページ末尾へ

岩手県の古四王神社について


《 探訪準備記録について 》
*岩手県は私の古四王神社探訪先として最も遠い場所になりますので、時間と行動力に余裕が無くならないうちに遅くならないうちに行っておきたいと考えていました。
 そう簡単には行けないし何度も行くことは難しいと思いますので、現地に行ってから資料にあたり人に聞いて神社を探して歩くというやり方はとれそうもありませんので、訪ねるべき場所や見るべき資料などの事前準備をしっかりしたいと思いました。

 2017年の春までに、岩手県のコシオウ神社所在地情報を検討し、訪ねて探す候補地を絞り込み、図書館の資料検索もおこない、候補地までの経路と行程のシュミレーションを行い、探訪の準備を整えていました。

*探訪前の準備には、インターネットの活用が欠かせないものになってきています。
 古四王神社の所在地と言われている場所名の情報から、実際に神社のあると思われる候補地を絞り込むこと、神社がコシオウ社かどうかについての情報を探すこと、これらのことに遠隔地にいてもできるインターネットの情報検索が役立っています。
 探訪を始めた頃にインターネットで得られた情報は今とは比較にならないほどわずかなものでしたが、年を追うごとに、有料・無料のネット地図、諸機関のデジタルアーカイブ、公共機関等のホームページ、有料・無料の各種辞典類、個人のホームページ・ブログ、等が発展・充実し、おかげで居ながらにして知ることのできることが多くなりました。


*岩手県の古四王神社の所在地情報に対して、先ずは遠隔地にいてもできるインターネットによる情報収集を行ってみました。
 2005年に、所在地情報の場所がどのあたりになるのか、ネットの地図で検索し、位置関係の確認をしてみました。
 無料地図で花巻市矢沢に胡四王神社の記載がありました。
 郷土芸能の情報に「胡四王神祭」がありました。
 また、一戸町小鳥谷の場所を地図で確認できました。
 カシミール3Dの解説本の地図では、小鳥谷付近に小姓堂の記載がありました。
 Mapionマピオンの一戸町の住所一覧では、小鳥谷の字地名が穴久保から若子内まで25箇所きされていましたが、その中に小姓堂はありませんでした。

 インターネットで地図検索ができるありがたさを感じていました。
 その後も折々にコシオウ関連情報を探していきました。

 2013年に探訪に向けた予備的な情報収集をし、2017年に探訪実行のための準備を進めました。
 2005年と2013年との間のインターネットの進歩と発展には驚くべきものがありましたが、2013年と2017年の間でもインターネットは一段と進歩・発展し、2017年の準備に関してインターネットで得ることのできた情報の多さに驚きました。

 岩手県の古四王神社の情報については、地域に対する関心が高いのだと思いますが情報の発信が多くあり、そのことに助けられたという面はあると思いますが、インターネットでここまで分かるのかと驚きましたので、準備段階でインターネットでできたことを記録として残しておりました。

*今までの『探訪記録』の記事は、実際の探訪の後に(場合によっては何年か後に)記しており、「探訪の準備」と題した探訪前の準備の記録も実際の探訪の経緯によって、準備した内容から取捨選択し編集し構成したものになっています。
 準備の際に役立ったインターネットの情報については、探訪先の図書館などで入手できた文献資料にインターネット情報の内容が記載されている場合は、文献資料によって記事を記述するようにしていますので、インターネット情報を引用して記事にすることは少なくなります。


*岩手県に出かけることができないまま、2020年の春になりました。
 その春は、行きたくても行けない状況です。

 地元を離れることなくインターネットと市立図書館と手持ちの資料だけでできた事前準備の記録が残っておりますので、それをもとに探訪以前の段階の「探訪の準備」部分までを記事にしておこうかと思いました。

 記事の順番は、岩手県の南側からにしたいと思います。

《 岩手県のコシオウ神社情報 》
 岩手県の神社名表記では「古四王」の使用はないようですので、「コシオウ神社情報」といたしました。

※桑原リストに4ヶ所の情報があります。
 〈所在地〉                〈名称〉
 1.二戸郡一戸町小鳥谷       胡四王堂(小正堂)
 2.紫波郡矢巾町徳田         胡四王神社(北向き薬師)
 3.稗貫郡矢沢村(現花巻市)    胡四王堂、胡四王山
 4.上閉伊郡土淵村(現遠野市)

 備考:4について=喜田貞吉「越の国及び越人の研究(下)」が「未調査だが上閉伊郡土淵村にもありと聞いた」旨を記している。
 そのため桑原リストは土淵村としているのではないかと思います。

※月光リストでは6ヶ所の情報があります。
 1.花巻市矢沢               古志王神社
 2.二戸郡一戸町小鳥谷
 3.紫波郡矢巾町徳田         古志王神社
 4.盛岡市中野安庭
 5.上閉伊郡綾織村
 6.鹿角郡三ヶ田村

 備考:及川大渓「みちのくの庶民信仰」(昭和48年)の鎮座地の記載に、陸中国として月光リストの1にあたる稗貫郡ー矢沢村矢沢、3の紫波郡ー徳田村、及び4・5・6が記されて、陸奥国として2にあたる二戸郡ー小鳥谷村が記されています。
 5については、綾織村とされています。
 6の鹿角郡は、現在は秋田県となるので所在地を岩手県に分類するのは誤りでしょう。
 岩手県に関しては、桑原リストとは上閉伊郡の村名の違いがありますが、桑原リストに中野安庭を追加したリストということになるでしょう。
 4の盛岡市中野安庭については、他に所在地としてあげている古四王関連の文献を見ていません。

※佐藤リストは3ヶ所の情報です。
 1.二戸郡一戸町小鳥谷       小姓堂
 2.紫波郡矢巾町徳田         胡四王社{北向き薬師(本地)}
 3.花巻市矢沢・三地割         胡四王神社(大巳貴命・小彦名命、大同2年田村麻呂東征時奉斎)

 〈各リストの番号は、それぞれの記載順です。〉

 これらの情報に基づいて、神社の所在地を絞り込めるか、等のことを、やってみました。


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