ページ先頭へ 前へ 次へ ページ末尾へ

探訪記録 福島  3   会津若松市・東山温泉 − 高志王神社


*新編會津風土記の腰王神社 その3 (区分ハ)
 《新編會津風土記の所在地情報》
(ハ)會津郡(青木組)湯本村  ○腰王神社
  ○神社項目の記述〈抜粋〉
   神社の項目の始めに、○羽黒神社に関する記述があり、〈抜粋〉祭神 倉稲魂命  天平中行基此国に来り 三社権現を勧請し、
   側に一宇の梵刹を建て羽黒山東光寺と號く 云々とあり、別当東光寺本社の西にあり、上野国世良田長楽寺の末山天台宗なり、
   山号を羽黒山と云、客殿に正観音を安じ本尊とす
  次に、〇温泉神社、村北山腰にあり、祭神湯山主命なり、堤沢村湯田右膳が司なり
  次に、腰王神社の記述となり、
  〇腰王神社 境内東西四間南北十二間免除地、村より戌亥の方四十間路傍にあり、鎮座の初詳ならず、鳥居あり東光寺これを司る

 《探訪記録》
 この社は桑原リストにありません。

 明治12年北會津郡発足。明治22年湯本村等が合併し東山村。
 昭和30年湊村・東山村等が若松市に編入。若松市は会津若松市に改称。

 〔雑誌『阿賀路・第17集』(昭52ー3・1977)〕掲載の桑原敬(会津・磐梯町)の「古四王神社と大彦命」の記事中に「腰王社名ではもっとひどいことになっている。会津東山温泉の腰王社は云々」とあるので、東山温泉にコシオウ社があるに違いないと、西会津郡野沢町を再訪したいと思っていたので、とにかく行ってみることにしました。

*2005年9月25日(平17)探訪
  東山温泉街のなか、羽黒山神社社務所の裏手に鳥居と小さな社殿の高志王神社がありました。

  扉のなかから社殿の中を見ると荷物が置いてありました。
  羽黒山の大きな社額をあげた鳥居が見えます、鳥居をくぐり数段の石段をのぼると左手に羽黒山遙拝殿があり、さらに石段をのぼるとバイパス道路に出ます。そこから長い階段をあがって参拝することになりますが、羽黒山(羽黒山湯上神社)へは参詣しませんでした。
 羽黒山遙拝殿は、旧東光寺跡のようです。

左上: 鳥居と高志王神社社殿 右上: 羽黒山神社社務所の裏手に高志王神社がある 
左下: 羽黒山の鳥居 右下: 鳥居の先の石段と石段上の左手に羽黒山遙拝殿


《探訪の整理》
 新編會津風土記では、羽黒神社の別当東光寺で腰王神社も東光寺司るとあり、ともに東光寺のもとにおかれていた関係があるようです。
 「腰王」とされていた神社名は「高志王」神社となっています。
 明治の「神社明細帳」の届出に際して、東蒲原郡津川町(当時、福島県)のコシオウ社の高志王神社への改称と同じように、改められたものと思われます。
 裏付けの資料は今のところ見ていませんが、コシを越の国を表わす二文字の好字で表記したのではないでしょうか。

 「東山温泉観光協会」公式Webサイトを見ると温泉の案内地図に「高志王神社ー大畏古命・建沼河別命を祭る」とあります。
 Webサイト「福島県の町並みと歴史建築」ー「福島県の温泉ー東山温泉」で高志王神社が案内されています。

 高志王神社の鎮座地の現在住所は、会津若松市東山町湯本積り地内となります。
 羽黒山神社社務所の住所は湯本積り86になります。

 「平成の祭」:羽黒山湯上神社 鎮座地 東山町湯本寺屋敷11
         祭神 (主)倉稲魂命 (配)玉依姫命
         境内社名として、里宮温泉神社〔(主)清湯山主命(配)豊玉姫命〕、妙見大黒神社、麓山神社、
         高志王神社〔(主)大畏古命(配)建沼河別命〕とあり、5月5日高志王祭とあります。
 羽黒神社は、法人社名は羽黒山湯上神社となり、高志王神社はその境内社に位置付けられているようです。
 東山温泉地区に温泉(ゆせん)神社も祀られています。
 
 月光リストでは、及川による会津郡湯本村と近藤による会津羽黒湯上神社内の情報が重複しています..
                           
ページ先頭へ 前へ 次へ ページ末尾へ