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所在地情報 秋田  13  南外村南楢岡


◎所在地情報
 大山新リスト : 仙北郡南楢岡村
 桑原リスト : 仙北郡南楢岡村 
 佐藤リスト : 仙北郡南外村南楢岡  古四王社
 (参考)及川 : 仙北郡南楯岡村があるが、南楢岡村の誤りだろうか。
       川崎・丸山 : なし

*明治22年の町村制の施行にともない南楢岡村が発足。
 昭和30年に、南楢岡村と外小友村が合併して南外村が発足。
 平成17年に、南外村・神岡町・西仙北町・中仙町・協和町・仙北町・太田町と大曲市が合併して大仙市が発足。
 現在の住所表示に、大仙市南外・南外南楢岡・南外外小友があります。
 大仙市南外のもとには、赤畑から和合までの多くの地名があります。南楢岡のもとには3,外小友のもとには2の地名があります。

*国立国会図書館デジタルコレクションの『秋田叢書 第8巻』に「月出羽道 仙北郡(一)菅江真澄著」があり、その「四巻」に北楢岡邑・南楢岡邑・外小友邑が記載されています。

 「○南楢岡邑」を見ると、「○此邑を楢岡とのみ云ひて、南北に呼ぶは近き世の事にこそありけめ、いにしへは唯楢岡ととなへ来つらむか。前キにも云ひしがまたいはむ、楢丘山は神宮寺が嶽におし並ぶ伊豆箇嶽の事をいふ也、なめて神宮寺嶽とのみ考ひ定めたりしはいまだしかりき、さりなれば此あたりはみな楢岡ノ荘にこそあらめ。」に始まって、枝郷を記載し「此小郷、廃村ともに五十余村也。」と記し、「昔はしらず、今は社家四戸、湯殿山注連寺流二个寺、禅刹一ケ寺あり。また社地は二十七社とむかしより記来れど、相殿、別宮、雑居、古社、廃宮、或は家々に上祖より斎奉る神々、あるは古柵、古館の跡なンどに埋れ座て、世に人しらぬ神達なほ多かるべし。/ ○宝永八年〈1711〉辛卯ノ正徳元年としの調楢岡邑の神社帳の末に、『此社地牒は天正十二年〈1584〉九月十九日楢岡右衛門殿の野帳より代々続候別当相記ルし申候已上。』と見えたり。」とあって、そこから行頭から記された神社が31社記載されています。
 31社のいくつかの社には相殿等が記されていますので、記載されている神社数は43程になるかと思います。
 最初に記された社は「○日吉宮大山咋神」で「南楢岡ノ一郷ノ鎮守ノ御神也」とあります。4番目に「○熊野権現ノ社」で「そのむかしは楢岡一郷の総鎮守ノ御神にして」とあり、13番目に「○古四王社 (割書:同十一間/同十二間)祭日四月八日○斎主(割書:竹原邑、又北田ともいへり)文右衛門。」と記されています。
 「同十一間/同十二間」の同は、社地のことかと思います。斎主についての割書の「竹原邑、又北田ともいへり」の竹原も北田も「枝郷」のなかにある邑で「○竹原一戸○北田九戸」とあります。
 「○南楢岡邑」の記述の最後の方に絵図が数枚載せられていて、その中の川と橋が描かれた絵の中の文章に「古四王ノ社」という文字があるのですが、それ以上の判読ができませんでした。

*ネット詮索で「中世の城趾 楢岡城と楢岡氏-大仙市」を見つけました。
 大仙市のサイトの「地域の魅力再発見」-「南外地域」に「冊子 中世の城趾 楢岡城と楢岡氏」のPDFがあります。 
 〈 https://www.city.daisen.lg.jp/docs/2017100400058/file_contents/nakaokajyo_pamph.pdf 〉

 その中に、「菅江真澄が描いた楢岡城」が載せられていて、絵の文章の「現代かな訳」が載っていました。
 それによって、絵の文章は「甲 愛宕の峰 乙 楢岡左衛門の古柵 丙 常泉寺 丁 上ケ土邑 戊 竹原ノ古四王ノ社 己 八木沢川橋ありて上土邑に通ふ。 楢岡左エ門尉氏郷の古柵を揚土ノ城といふ。其世は五千八百石を領し、慶長七年御遷邦の後は最上郡新庄にいたり、二千石を賜り、ゆゑありて今は八百石にて楢岡兵右エ門とて其末なほありといへり。」と分かりました。
 古四王社は枝郷の竹原にあったようです。
 甲乙丙丁戊己は、北から南の順に描かれているように見えます。

 楢岡城は古館山にあったとのことです。
 現在の地名で、大仙市南外古館山があり、愛宕神社(南外古館山13)もあります。
 また、大仙市南外に揚土があり、その付近に常泉寺(南外揚土139)があります。
 雷神社(南外揚土48)という神社も近くにあります。
 雷神社の南の方角に地名「揚土山」があり、更に南側に「北田山田ケ沢」地名があります。
 このあたりを探すと何かヒントがあるでしょうか。
 『秋田県神社庁HP』によれば、愛宕神社のご祭神:加具土命・大山祇大神、由緒:創立年代不詳とあり、雷イカヅチ神社は御祭神:別雷命、由緒:創立年代不詳とありました。
 合祀情報等はありませんでした。
 常泉寺の本堂は大仙市指定有形文化財とのことです。

                                   《 ここまで 2021−08 記 》

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