山形・庄内の古四王神社〔目次〕       ページ先頭へ 前へ 次へ ページ末尾へ

探訪記録 山形   1 : 庄内  1


佐藤リスト 位置番号 1 : 飽海郡遊佐町吹浦 古四王神  備考)丸池神社境内、自然石  
             〈桑原リスト : 遊佐町丸池・古四王神社

《探訪の準備》
 遊佐町に関してしっかり下調べをして探訪したいと、機会を待ちました。

*吹浦・丸池の古四王神社に関する資料と記述
・『池田・方寸5』ー「吹浦の…丸池神社は、別名石淵神社ともいい大物忌神社の境外社であるが、その境内にも自然石の古四王神がご神体として安置されている。」
・『遊佐町史-上巻』ー「吹浦の丸池神社境内の古四王神社は、吹浦字七曲堰東にある。ご神体は池の北側山腹ににある巨大な自然石で、祠は北の巨岩を背にして南向きで鎮座している。」
・『遊佐郷村落誌(下)=第三章吹浦の巻-六-直世(二)箕輪』ー「丸池神社はもと箕輪の鎮守であった。〈略〉境内に古四王神社がある。御神体は大自然石で、きかずさまといい箕輪で祀る。」

《探訪の記録》
*2017年6月9日
 「丸池」に関する情報はネットに幾つも見いだせましたので、箕面鮭孵化場(住所-直世荒川)を目指して行くことにして、鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮に立ち寄ってから、行きました。
 箕輪鮭孵化場に向かうと、右手側に湧水の川として有名な牛渡川があり、裏手に丸池があります。
 丸池の正面ないしは表側は、孵化場側の反対の、丸池神社のある方になると思います。
 丸池の北側の道の山側に丸池神社が池に向かって建ち、向かい側に池を背にして小さな社が建っています。
 遊佐町教育委員会による「鳥海山大物忌神社境外末社 丸池神社境内」と題する案内板によれば「丸池神社は、一般には丸池様と称され、瑠璃色の池そのものが御神体として崇敬されてきた。現在の祭神は、…宗像三女神である。」等々の記述があり、片目の魚伝説が紹介され、「本境内は、縄文時代から現代に至るまでの水にまつわる信仰文化が残る貴重な史跡となっている。」と結ばれています。
 丸池の周囲にはこの二社以外に神社が見当たらなく、周囲の山の方を見回しても自然石のご神体の存在は分かりませんでした。
 せっかく来たので、丸池を巡り、牛渡川の清流に感嘆して、念のためもう一度古四王神社とご神体をさがしてみました。
 あらためて丸池神社の背後の山を見て、目線を高く上げたところ、神社に向かって左側の山の思ったより高いところに小さな社殿らしきものが見えました。斜面を登っていくと、大きな岩を背負うように比較的新しい小社殿が鎮座していました。
 見つけることが出来て本当に良かったです。

左上: 丸池北側の道、奥に丸池神社 左中: 丸池神社向の小社  右上: 丸池神社 右中: 牛渡川、奥に鮭孵化場

左: 山腹の小社殿                    右: 社殿と背後の岩


《探訪の整理》 
 通常の目線の範囲を超えて思ったより高いところにありました。
 その場所に大きな岩が姿を現しており、それをご神体として祀ったものなのでしょうが、それがどうして古四王として祀られたのでしょうか。
 片目の魚伝説に関連して安倍宗任が出てくるようですが、安倍氏との関係とかがあるのでしょうか。
 祠の向背柱の横木の左側に穴を開けて糸を通した3枚程の合成樹脂かと思われる黒い皿が下げられていました。
 「きかずさま」は耳の神の聞かず様ということなのでしょう。
 社の扉が開いておりましたので、拝見させていただくと、左奥に棟札が立て掛けられており中央に「奉斎 古四王神社 一宇」と記されその左右に「屋船久久能知神・屋船豊受姫神・手置帆負神・彦狭知神」と記されていました。
 今のところこれ以上のことは分からないのですが、古四王神社はありました。
 住所は、山形庄内観光サイトによると、丸池様の住所が吹浦字七曲堰東56となっています。

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